
昨年4月に茨城県のセンターから助けてきた1匹のミックス犬の「ミュー」。
どんな酷い環境下に置かれていたのか、体の毛は禿げ、
毛玉だらけ、両耳の毛は抜け落ち、骨と皮のなっている程にやせ細り、
その上まだ3歳ぐらいなのに「フィラリア」に感染していました。
小さな体で沢山蚊のいるところに繋がれていたのでしょうか。
今までこの子は酷い飼い主に可愛がってもらったこともないのか、
しきりに人間に尾をふり、すぐにコロンとひっくり返り
お腹を出し性格はとても良い子でした。
シーズーとダックスのハーフのようです。
引き出してからフィラリアの治療を始め、
この頃は本当に太り、毛量も増えトリミングをするほどでした。
食欲もあり、お散歩が大好きで一番先頭を切って
楽しそうに歩いて「走ってしまうほど」いました。
室内でも玩具をくわえまだ若いので他の犬達とも仲良くじゃれて遊んでいました。
病院の先生方も「死んだ虫が浮いているけれど
このまま何とか生命を維持できるでしょう」とのことで
新飼い主様も探しておりました。
しかし急に1カ月ほど前、だるそうに遠くから眺めているようになり
食欲も無くなってしまいました。
息苦しいのか、お腹でハーハー息を吸うようになり急遽病院に入院させました。
毎日鳥肉をゆでて病院に運び声をかけ励まして来ました。
しかし今回は酸素室に入れてもなかなか改善されず、だんだん衰弱していくようになり、
先生からも「苦しむようなら安楽死も考えてください」とまで言われてしまいました。
悲しかったです。
1年半毎日一緒に生活してきた保護犬を
安楽死と言う決断をどこでしたらいいのでしょう。
立って尾をふるミューはまだ「生きたい。
家へ帰りたい」と思っているように感じました。
これからどれだけの日々を生きられるか分かりませんが、
一度は家へ連れて来てあげたい。
そんな思いで、今回「酸素ハウス」をレンタルしてもらいました。

昨日から我が家に戻ってきましたが、体がだるいらしく、
ハウスから少し出してあげてもすぐに床に伏せてしまいます。
でも安心したのか唯一食べてくれる「シーザー、プチラグジュアリー贅沢まぐろ」を
フードに混ぜてあげるとパクパクと食べてくれます。

でもやせ細ってしまった体は骨が触れる程になってしまいました。
酸素濃度30に保ち24時間その中に寝ています。
先生は[フィラリアの死骸がこれだけあると血液に吸収するまで
犬の持命がもたないでしょう。
今回は死骸の塊が肺の方に飛んでしまい、
血管にゴミが詰まるように少しずつ血液が行かなくなり
酸素が体に回らなくなってきたのだと思います。
いずれ肺の機能もどんどん落ちてきます」とのことでした。
今後腹水、胸水、肺にも水がたまるようになると注射針で抜かなければなりません。
水を抜くと体の栄養も抜けて行ってしまい、衰弱していくのは分かっています。
処分される運命だったミューは今、授かった命を必死で生きようと頑張っています。
捨てた飼い主はこの子がこんなに苦しんでも生きようと
健気に頑張っていることなど考えもしないでしょう。
「たかが犬」としか感じない人間がいかに多いか。
この活動をしていると、怒り心頭する人間に遭遇する事も沢山ありました。
しかし動物たちはそんな飼い主でも怨むことなく、処分日の朝まで飼い主を待っています。
そんな気持ちを察して上げられないのでしょうか?
今ミューは私を飼い主として頼ってくれています。
病気と闘うミューをサポートしてあげることしかできない私ですが、
最後の送り出す日まで心静かに、
安心して旅立てるように生活させてあげようと思います。
そしてお迎えが来てしまったときには
私の腕の中で見送ってあげたいと思っています。
いろいろな事を起こした子ですが皆様、
どうかミューの命が1日でも、
1時間でも長く炎が消えないよう応援してあげてください。