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自治体における譲渡推進に思う 季刊2009年5月号
日本全国の各自治体の収容施設には毎日のように犬・猫が運び込まれて来ます。皆様はこの事実をどのように思われていらっしゃいますか?

インターネットが普及し、当会が出入りをしていない自治体の様子までも知る事が出来、私は頭が痛い毎日です。ネット上に収容犬の写真がアップされ、犬達の目が悲しげに怯え、命の最期を悟ったかのような表情をしています。やせ細ってあばら骨が浮き出ている猟犬、母犬の後に隠れるように顔だけ出している子犬、泥だらけになってガネ(捕獲のロープ)で吊り上げられている犬、立つことも出来ずに横たわっている事故犬(置き去り犬)、顔に白毛が目立つ老犬、他・・・・。この子達は二度と太陽にあたることもなく数日後にはこの世を去って行きます。そして涙を流してくれる飼い主もなく、忘れ去られてしまいます。

「1匹でも多く、譲渡を推進するように!」と環境省からの要請もあり、各センターでは様々な取り組みも見られ、東京・神奈川においては、収容頭数も減ったため期限が切れた犬達も収容日数を延ばすことも可能になりました。しかし、日本一頭数の多い茨城県では、それをしたくとも出来ないのが現実で、毎日処分は行われています。

ある一部ですが、当会の譲渡して頂いているセンター並びに近県の処分頭数と譲渡頭数を記しておきます。

※政令指定都市も含む
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私は思います。譲渡を増やすのではなく、収容される犬・猫の数をいかに減らすかという方が優先課題だと思っています。
毎日入ってくるかわいい小さな命を救うのは、不妊・去勢手術しかありません。いくら団体が引き取ったところで焼け石に水状態なのです。「私も私も!」と尾を振って駆け寄ってくる子犬の中から数匹を選ぶことなど到底出来ません。又、大部屋の中にも大きな成犬に混って3ヶ月くらいの子犬達が入れられています。でも子犬達は堂々と最後の4日間をその中で強く生きています。放し飼いかれている、犬社会の中で育ってきたためか毅然として檻の中に座っている1匹の子犬の姿には胸を打たれました。

各自治体も少しずつですが、内容も改善されつつあります。茨城県では譲渡希望犬にワクチンを打って下さいます。千葉県では譲渡犬・猫には検疫の期間を設け収容房の中の写真も撮らせて下さっています。閉鎖的だった収容施設も開かれつつあるのです。

今、目前の希望として、子犬だけでも収容されることが少ない自治体から処分頭数が多い自治体との間で命のバトンタッチ(リレー)をして下さるよう切望しております。そして将来、処分のためのセンターが消える日がありますように・・・。

[2009/05/12 11:09] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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