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子犬工場の現実 季刊2009年11月号




ペットショップに並んでいる1ヶ月余りの可愛い子犬・子猫達、みなさんはこの子達がどんな所で生まれ、どのようにして商品として扱われるかご存じでしょうか?

ブリーダー全てがそうだとは言いませんが、日本の繁殖業者の多くは、「命を商品」としか思っていません。今、ある老夫婦が100頭もの犬を劣悪な環境下に置き、生きるための食事も水も満足に与えず、狭いケージの中に閉じ込め、繁殖をさせています。真夏の暑さの中、窓も閉めっぱなし、フードに水をたぶたぶに入れたものを食べさせ、水は腐り悪臭を放ち、ケージのお掃除も2年間しないため、ウジ虫がわいている状態です。

そんな中、母犬達は皮膚病であろうと、何度も出産させられ、カルシウム不足から顎の骨が溶け、歯も抜け落ち、爪は回転しケージのカネのスノコに引っかかり血だらけ、足も挟んだまま骨折していても放置。生まれた子犬達も足を挟んだまま足先が腐り取れてしまったり、骨折している子もいます。売り物にならない子犬は繁殖用にする。

見かねたある団体が毎週世話に通って下さっていますが、この夫婦は忠告を無視し、相変わらずエサも毎日は与えず設置してきた給水器に水も入れず、犬達が喉が渇いて水の入っていない給水器の一滴の水を求めて舐めているとの事。


このパピーミル「子犬工場」と呼ばれる生産場所で生まれた子犬達は、まだ親・兄弟と一緒にしておかなければならない期間前に離され、「犬猫セリ市」に出されます。最近は純粋犬は珍しくなくなって売れないとの事で、あえてミックス犬を作り4万~5万で売っているのが現実です。


この業者を取り締まる法律は「登録制」ですが、何と意味のないものであるかつくづく考えさせられます。

<立ち入り検査>都道府県の動物愛護担当者が立ち入り検査を行い基準が守られていない場合、管理や施設が不適切と認められた場合は、都道府県の知事、政令市の長が勧告、命令を行い、悪質な業者には登録取り消し、業務停止命令が行われる。


そして

<動物取扱業者が厳守すべき動物の管理方法等の細目>には、

第2条
1.定期的な清掃及び消毒を行うとともに汚物を残さず処理する。
2.1日1回以上の巡回をする。
3.消毒台帳を5年間保存する。
4.ネズミ、ハエ、蚊等の駆除、他。

第3条
1.ケージ他は立ち上がれる、横たわれる、羽ばたく他、十分な広さを有する。走る、飛ぶ、登る、泳ぐ他の運動が出来る広さ、空間を有する。※この広さの実際の数値が明記されるべきである。

第4条
1.ケージに給餌給水の為の器具を備える。



このように文章からみれば立派な言葉が列記されています。しかし現実にこの「登録制」で、繁殖業者の改善、業務停止が実現しているのでしょうか?ここにいる母犬達、子犬達は1日1日を苦しみの中で生きさせられています。子犬1匹が札束にしか見えない繁殖業者を根絶出来る真の「動物愛護法」を施行出来るよう法改正を強く望みます。


PS.
先進諸国では生きた動物を店頭で売り買いすることは虐待とされています。犬猫を買い求める人々の意識の低さも問題と言えるでしょう。
[2009/11/12 11:08] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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