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世界的不況と捨てられるペット達 季刊2008年11月号
予想もしていなかった世界的な株価暴落による不況が日々のニュースで報じられています。その結果、倒産リストラ等経済的破綻の余波は私たちの日本にもじわじわとにじり寄って来ている現在、一番懸念している事は、そのことで飼えなくなった「動物の放棄」です。

バブルの時代に売れるからと、産めや増やせと繁殖させられた犬猫達。このペットブームは、人間の生活が悪化してくれば、ペットどころではなくなる事は目に見えています。近年、センターに持ち込まれて来るケース、またはキャリーバッグに入れられたまま駅、電車の中、公園、土手他におきざりにされるケースも増えています。放棄される理由のトップは今まで引越、病気、アレルギーがありました。しかしこれからは経済的理由、そのことによる離婚他で、飼育してまもない処分持ち込みのケースも多くなりました。

あちこちで繁殖業者が経営破綻し、そこにいる犬達の置かれた悲惨さは目を背けたくなるものでした。何度も、何度も、年を取っても最後まで産まされ続けた母犬は、カルシウム不足からアゴも歯も溶けてしまい、舌が出たままになり、食べることも出来ずに骨と皮になっていました。全身皮膚病になっていても治療もされず、かゆくても毛玉に覆われた足では掻くことも出来ない犬、満足に水もフードも与えられず、かろうじて犬をつないでいた犬、糞だらけの汚いケージの中に長年閉じこめられ、いくら出たくとも開かない扉を必死で咬んでいる犬。最後は路上に投げ捨てられ、車に轢かれて死んでいたラブラドール達も過去にありました。

最近、当会で引き取りましたシーズー犬は段ボールに入れられ、他の犬と共に放置され、その内の1頭はすでに息絶えておりました。以前にも9匹の犬が段ボールに入れられて、放置されたケースがありましたが、多分同じ犯人でしょう。そして八王子市で15匹のチワワが捨てられていた事件は記憶に新しいと思いますが、これもブリーダーの仕業なのでしょうか。

「動物を捨てることは犯罪です」と、いくら唱えても犯人が見つかったのを聞いたことはありません。このチワワの一件も警察が犯罪をして扱っているようですが、どこまで判明するかは疑問です。売る側の問題も今現在の法律では規制出来ない事の方が多く、会員の方からも「ひどいペットショップがあるんです。どうしたらいいでしょうか?」との声にも当会として動ける範囲も限られてしまうのがとても残念です。

昔はお金を出してまで買った犬猫を自ら捨てる人なんかいないと思っておりました。時代が変わったと言えばそうなのかもしれません。しかし雑種の犬猫であろうと高価な値の付いた純粋犬であろうと、捨てる人間の無責任さは、昔も今も変わっていないのでしょう。
[2008/11/12 11:06] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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