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問題をかかえる多頭の保護 季刊2007年4月号
毎日のように、テレビ、新聞他で犬猫のニュースが報道されている最近、捨てられている犬猫を「かわいそう」というだけで無制限に集め、保護とは言えない状況で置いている人々がいます。

数年前に報道された山梨の多頭飼育の地獄のような現場を覚えておられる方もいらっしゃるでしょう。満足にエサも与えられず(腐ったニワトリの生肉が投げてある)、水はお茶のように茶色でドロドロ。強い犬だけが食べることができ、弱い犬は餓死していく。食い殺された子犬たち、死んだ犬にハエがたかり、生まれた子犬たちは殆ど生きられない。真夏の暑さ、雪、雨すら避ける場所もなく、ゴミの山の中に置かれた汚い犬小屋に繋がれた犬、あちらこちらに子犬の死骸の山、その中で繰り返される繁殖。

この張本人の男は「犬を増やすと仕事もうまくいく、1000匹くらいに増やす」と言っていたそうです。又、心ない人間がこの山に犬を捨てていく。何の解決策もなくどんどん増えていく犬達。

1匹の弱々しい母犬が死んでしまった自分の子犬を口にくわえている写真がありました。その犬は死んだ子犬を土に埋めたとのコメントを読み、なんと人間は罪作りな動物なのかを痛感しました。「飼育」とはほど遠い「殺し飼い」です。

この件に関してはM氏をはじめ多くの方々のご支援で、今は150匹ほどに減ったそうですが、このようなケースはあちらこちらで起きています。勿論、保護さえ出来れば、里親さんに命を託すことも出来ますが、「里親探し」の大変さは、一言では語り尽くせません。このような崩壊するまでになるケースは里親探しをするはずもなく、単なるコレクターに過ぎません。


私の住む、ここ町田市にも「市のシェルター」を作ろうとする動きが起きています。センターからの引き取り犬猫他を保護し、里親探しの場にする考えは、ある意味有意義だと思います。でも、誰が世話をし、寝泊まりし、病気になったら費用をどこが負担するのか?残ってしまった犬猫の最終責任者は誰にするのか?そのような事を考えると「多頭の保護」の問題は山積みなのです。

そして山梨の「犬捨て山」のように「シェルター」が犬猫の捨て場になる可能性は捨て切れません。まだまだ日本の現場の
レベルでは、山梨の崩壊現場もシェルターも同一にならなければ、と不安を持つのは私だけなのでしょうか。
[2007/04/12 11:06] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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