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悲惨な繁殖用の母犬達 季刊2007年10月号
ペットショップのショーケースの中には、ぬいぐるみのようなチワワ、プードル、ダックス他の子犬達が並べられて「ワーッ!可愛い!」「お母さん これ買ってよー」他、まるでおもちゃやアクセサリーを選ぶような言葉が聞こえてきます。誰が見ても思わず「欲しいなぁー」と思うのは当然の事でしょう。

しかし、みなさま、この子犬達を産み、育てた母犬達がいる事を考える方がどのくらいいらっしゃるでしょうか?あちこちで大量販売のブリーダーが管理の悪さで悲惨な環境下に置かれている100頭、200頭と保有されている犬達、又経営不振で倒産し再度売られて行く犬達の行き着くところは、またブリーダーというケースの悪連鎖。

産むだけの目的で狭いケージに入れられ、命を継ぐだけの最小限のエサ、水さえも入っていないケージ。床は糞と尿でぐちゃぐちゃになっていて、体中皮膚病があっても治療もされず、はげて痩せ細った体。それでも子犬を産まされる。一回も太陽や風に当たることもなく、楽しく遊んでもらうこともなく、思い切り広い土の上を走り回ることもなく、一生を終えていく母犬達。

長毛種の犬はものすごい毛玉だらけ、爪は回転するほどに伸び、何度も帝王切開されたお腹の傷跡、子宮はボロボロ。まるで養豚場の豚さん達のような扱いです。

春頃通りかかったペットショップで、狭い店の奥の方から段ボールを開けテリアが店先の四方と上もガラス張りのショーケースに出されていました。アメショーの子猫3匹もやっと段ボールから出され、また狭いケージに詰め込まれていました。この子達はガラスケースと段ボールの間だけの移動の毎日です。
暑くなったらガラスの中と、段ボールの中はどうなるのかと不安がよぎりました。やはり何匹も詰め込まれて死んでしまう事がこの店で起きているとの事。


当会はこの1年半前から、縮小するというブリーダーが放棄しる犬を引き取ってきました。コンテナの中に入れられ、3畳間位のスペースに15匹もの犬が入っていました。どの犬も外に出すと地面に伏して歩く事が出来ません。すごい毛玉、臭い、耳ダニ、シラミ、カイセン。この状態を見ても置かれていた環境がいかに酷かったかが伺われます。ある大臣が「女性は子供を産むための機械」とか発言をし大騒ぎになりましたが、この母犬達の生きる権利はあるのでしょうか?

動物取扱業が「登録制」になったとはいえ、どんなひどい管理をしている業者に対しても営業停止などの効力はありません。「許可制」にし、改善されない場合は営業停止に出来るような法律に改定することは絶対に必要です。

しかし、この日本中にお金で犬を買う人がいる限りこの悪循環に終わりはありません。動物と人間が共存していくことの意味をもう一歩深く考えて、愛犬・愛猫との生活をしていって欲しいとつくづく思うこの頃です。
[2007/10/12 11:05] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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