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地方の収容施設の救出をスタートした理由 季刊2006年12月号

※これは茨城県民の方、センター並びに職員の方を
 誹謗中傷する事ではないことを始めにお断りしておきます。

10数年前当会がはじめて収容施設からの引き出しを許可され、犬猫を引き取った当時の事を、今思い浮かべ、それとオーバーラップし、今の茨城県の犬猫飼育事情が脳裏をかすめます。毎日毎日子犬子猫は檻の中が一杯になるほど収容されて、その中から救出してきても、殆どがパルボ他の伝染病に感染していました。また、雑居房の成犬の室(檻)は3ヶ月の子犬も小型犬も一緒に入れられていて、恐怖と、餌入れが一カ所の為高くで届かず、5日間飲まず食わずの状態で過ごしていました。小さな老犬マルチーズが檻の隅に丸くなっていました。世話をしていたおじさんが 『猟犬はあんなマルチーズはウサギだと思って食べちゃうんだよ!』 と。


そしてある日、目の前でポインターが子犬をくわえて振り回していた現場を見たこともありました。そんな状態が今、地方の収容施設の現実なのです。この度、あるきっかけで茨城県のセンターの犬達を助ける活動に踏み切ったのも、10年前の神奈川県の状態が、現在は改善されたこと。(以前は毎日行われていた処分も、1~2週間に1度になりました)茨城もきっと良い方向にスタートそて行かれる事を信じ、始めたのです。茨城県は野や山があり、番犬として庭先に飼われていて (放し飼いが多い) 犬の不妊手術をする意識はまったく無く、何度も生まれては子犬たちを処分に持ち込んでくる飼い主。 また、放棄も有料化になったものの、わざわざセンター側から引き取りに出向く体制は疑問を持たざるを得ません。インターネットに収容犬情報が掲載されていますが、多い日35頭中首輪がある犬数匹のみ、の写真がアップで出ていました。殆どが雑種「首輪無し」。いかに半野良状態になっている犬が多いか分かります。本当の野良犬は捕まりません。この犬達のように、生まれてそのまま人間から餌をもらい生き延びたために人には慣れているので、収容されて来るのでしょう。


ある日の処分状況です。処分は3畳ほどの広さのガス室に、1日分の犬達が入れられ多い日はすし詰め状態で、下にいる小型犬はガス室に入る前に圧死してしまうようです。この場面を皆様想像してみて下さい。命の最期の瞬間にこのような状態で一生を終えていかなければならない犬達の気持ちを思うと胸がしめつけられる思いです。それなら2度に分けて処分すればと考えますが、夕方までに焼却炉の温度を下げなければならないので無理とのこと。朝8:30から毎日50頭ほどの犬の処分が始まるそうです。悪いのは飼い主の無責任さ、モラルの低さで職員の方々も多分あきらめてしまっているのでしょう。ましてや地方の団体の方々はセンターに入った犬猫まで手が回らないくらい、あちこちに犬猫がうろついている現実。とてもセンターの犬猫譲渡は進まないのでしょう。しかしやっていかなければこの状態は一歩も打破できません。不妊手術去勢手術の普及、意識の向上、マイクロチップの導入他、少しずつでも良い、「昨日より明日」「今日より明日」への改善を目指し再スタートです。そしてこれは茨城県に限った事ではなく、日本全国の収容施設の向上へと波及していかなければならない課題だと思っております。動物の生命の大切さが、すなわち人間の生命の大切さにも繋がっていく事なのです。みなさん あきらめないで頑張ってゆきましょう。 

[2006/12/12 11:03] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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