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疑わしい放棄の理由 季刊2004年9月号
長年家族として生活して来た犬猫を「処分してくれ」と
持ち込んでくる場面に何度も出会うことがあります。
殆どが人間側の身勝手な理由です。
しかし行政側は「飼えなくなった犬猫の引き取り」と
業務内容の中に書かれています。

もちろん引き取りに際し
里親を探すなどしたのか否か等の指導はしていますが、
いずれにせよ飼い主がどうしても飼えないと申し出た場合には引き取らざるを得ないのが現実です。

そんな中、不可解な放棄の人達を見てしまいました。

四月、世田谷のセンターを出ようとしていると
一台の車がやって来ました。

帽子をかぶった女性Aが
「この近くに公衆電話はありませんか」と尋ねてきました。
その車の後部座席にはゆったりとゴールデンが座っていました。 前座席に女性Bと運転の男性が乗っています。 そのうちその車はセンターの中に入って行きました。

「ああ、また放棄犬だ」と思い、
私はボランティアのMさんと近づいて行きました。
その途端、車のボンネットを開けている飼い主。
後ろから、シーズー2匹がブロックに30cm位のヒモに結ばれ、「ハーハー」と息づかいも荒く立つことも出来ずに、
そのブロックの石ごと降ろされていました。

「あっ!まだいる!」
マルチーズ3匹が小さいケージに押し込まれ、
柴犬も出て来ました。
「どうしたんですか?」と聞くと、
女性Bのご主人が亡くなって
飼えなくなったと言いました。

「主人が好きで飼っていたので私の犬ではありません」と言う女性B。「好きなだけでこんなに集めてしまって無責任です」と言うと、「本当ですよ!」と他人事。

しかし泣いているのは女性A。
そして犬達は皆、
このAに尾を振って寄って行くのです。
そのうちに犬達は檻に入れられ職員も立ち去りました。
そこで、陰で見た場面、
女性Aが女性Bと男性に袋の中から
現金を出して渡しているのです。
そして残りのお金は袋ごと自分のバッグの中に。
明らかにこの女性Aが飼い主で
ブリーディングして要らなくなった犬なのです。
全部メス、年齢も5~7歳位。

行政はブリーダーが持ち込む犬は引き取りません。
そこで人に頼んでお金を払ってまで
犬を処分させる、このあくどいやり方。
このケースの他にも47匹のマルチーズ、
11匹のMダックス、13匹のラブラドール他、

品物としか思っていない人間に
何らかの処罰の法律が出来ることを願わずにはいられません。
[2004/09/12 10:58] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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