今日は神奈川県動物保護センターの旧施設の解体に伴いお坊様立ち合いのお払い式がありました。廃墟のようになった私達が30年前から犬達を引き取に通ったセンターの最後の姿を記憶にとどめておきたいと思い参加致しました。暗い階段をどんどん下って行き目の前に現れたガス室。窓もない小さなステンレス製の箱に沢山の犬達は押し込まれもがき苦しみ息絶えて行ったかと思うと当時の現実が蘇り込み上げてくる悲しみに涙が流れてしまいました。今までこの箱の中でどれほどの数の犬達が無念の死を迎え命を絶たれていったのか。本当に人間の罪の深さを胸に痛いほど突き刺さりました。
ガス室の前でお経が読まれ職員、工事会社の社員、そして少しのボランティア団体の方が死んでいった犬達に供養の気持ちを届けさせて頂きました。苦しかったでしょう、怖かったでしょう、飼い主に会いたかったでしょう。シッポを振っても誰も助けてくれない運命に多くの犬達はなす術もなく炭酸ガスが注入され充満し酸素を抜き取られ苦しみながら倒れて死んでいきました。そしてガス室の床が開くと下の焼却炉に落ち焼かれて骨になって行きました。30年前はものすごい収容頭数でとても当会だけでは引き取りできないほどの犬が収容されていました。それでも必死でセンターに通い1匹でも多く引き取って来た辛い過去が思い出されました。助けてきても伝染病に感染していて次から次へと死亡していく犬達。大変な毎日でした。暗い車止めの搬入口には処分の麻袋に入れ小さな冷蔵庫のようなガス室に入れられる小型犬、子犬達が並んで置かれていました。今思い出すと嬉しい思い出より悲しい辛かった事が次から次へと目に浮かびます。
無責任な飼い主のために小さな命は毎日ガス室へと送られていきました。それから外に出て4隅の場所にお清めの塩とお酒を振りお経があげられました。横には処分されていった膨大な犬達の犠牲の上に出来た現在の「神奈川県動物愛護センター」は新しい施設としてオープンしていました。そして神奈川県は「殺処分0」にしたのではなく、収容頭数が激減したために自然と「殺処分0」
となったのです。どこの自治体も力ずくでは「殺処分0」を達成する事は出来ません。それに向かって「センターに入る頭数を減少させること」。それにはどうしたら良いのかを愛護団体と共に考え行動に移す事がいかに優先課題であるか分かると思います。老朽化したこの建物に50年の歳月の中で死んでいった犬猫達の「助けを求めた姿」が映っているようで、いつまでも心の中にしっかり残しておきたいと思います。
職員の方々も長い年月「処分」という辛い作業をしなければならなかったことは私達と同じ気持ちでした。誰も生きている命を絶つことなど望んでいる人はいません。しかしそうしなければならない現実を作っているのは「無責任な飼い主」がいるからなのです。「処分されていった犬猫達」のためにもその死が無駄にならないような社会にして行かなければならないと切に願います。
PS.[不思議なことにガス室を撮った写真が消えていました。犬達の霊が最後の場所を見せたくなかったのかと思います]
助けてあげられなかった子達、ごめんなさい。あなたたちの無念の死は決して無駄にしません。







