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悲しい繁殖犬達
ある方から

「他の団体にも相談したが解決策もなく諦めたが何とか犬達を助けてあげられないでしょうか?」というメールが当会に来ました。S県で繁殖場「パピーミル」がありその数600匹。中は外から見ることは出来ず、犬達の泣く声だけが聞こえてくるのを聞いて可哀想に思われての相談でした。しかし今の法律では繁殖犬達を助けるような力がありません。でも状況を聞くために管轄の保健所に電話をしました。


職員「そこの繁殖場は年に2,3回通常立ち入りをし
    その他にも抜き打ち調査にも行っている。以前よりは良くはなって来た」。

私「クーラーもないようだが」

職員「クーラーはないが扇風機を沢山回している」

私「最近の暑さは異常。窓を開けていたら外の外気温が高く
  室内はものすごく暑くなっているのではないですか?
  夜はそこに誰もいなくなるという事は閉め切って帰るのですよね?
  熱中症で死亡する犬もいるのでは?」

職員「7月頃見に行きましたがそんなに暑く感じなかった」

私「ケージに犬達は入れられているんですよね?
  身動きも出来ず毎日体を伸ばすことも出来ず
  それは適正飼育ではないのでは?」

職員「掃除の時だけでも外に出してやるように指導はしたが全部は出来ていない。
   大型犬は3畳間ぐらいのスペースに入れているが
   狭い檻に入れられたままの犬も確かにいる」

私「狂犬病も全頭していないという事は
  ピースワンコが警察の家宅捜査が入り狂犬病予防法違反で告訴されたが其れと同じでは」

職員「2回ぐらいに分けて打っているようだが間に合わないみたいだ」

私「そこから違反なのですから適正な頭数に減らすことを推奨出来ないのか」

職員「これ以上新しく入れて増やさないようにと言っている」

私「20年前からやっていて登録した8年前に600匹で申請し今も変わらないという事は
  死亡したり引き取られたというなら数が減っていると思う。
  それが変わらないという事は新しい犬を入れている事ですよね。
  1匹ずつの連絡票を提出することになっているが
  そこに居なくなった犬の行方を書いているのか?」

職員「提出はしているが引退犬は自分で譲渡先を見つけたと書いてある」

私「そんなことをするはずもない。最後の行方を調査は出来ないのか?」

職員「自分たちも犬の事が心配なので、業者が里親探しが難しい犬は
   愛護団体様に頼んで里親探しをしてもらってはいる」

私「そうだとしても微々たる頭数ですよね。
  多くは業者間でたらいまわしかどこで処分されている。それも把握できない」

職員「でも600匹を放棄すると言われても引き取りは出来ない」

私「そうではなく働いてくれた犬達の余生を家庭犬として過ごさせるために
  5歳ぐらいで引退させて少しずつ頭数を縮小していくように指導をしてください」

職員「ココが廃業してもまだまだ沢山ある」

私「だからこそ、このような子犬工場を無くし
  真のブリーダーから子犬を分けてもらうようなシステムに
  日本は変えて行かなければ、
  愛護団体がいくら引き取っても解決はしない。
  また業者は子犬をセリ市に出していると思うが
  あのような流通は廃止するべき。
  3年後の更新時にはこの数は、9人で世話が出来る頭数ではないから
  減らすようにと強く通告して下さい」

職員「自分たちも権限がないので強くは言えない」


と、このようなやり取りをしました。

何度、このようなやり取りを多くの自治体の保健所としてきただろうか。虚しさだけが残ります。犬たちは何度もお腹を切られ皮膚
もつかなくなり、子宮はボロボロ、カルシュウムを子犬に取られ歯も抜け、顎の骨も溶け、足を挟め骨折していても放置され痛みに耐え、椎間板ヘルニアで腰が立たなくとも、それでも年2回子犬を産まされる繁殖犬達。挙句の果て、狭いケージから出られる自由もなく、おもちゃで遊ぶ喜びも、走りまわる喜びも散歩する楽しさも味わうことなく、誰にも知られずこの世を寂しく去る犬達。あまりにも悲運な運命ではないでしょうか?

繁殖業界の裏を知ったらとても「ペットショップで犬を買う」なんてことは出来ないはずです。あなたの愛犬の母犬父犬がこのように悲運な生涯を強いられても良いんですか?自分の犬だけ幸せならそれで良いのですか?皆様「買う人がいる」からこのような繁殖業者が命を売ることを止めないのです。もう一度よく考えてみて下さい。当会は繁殖業界を改善するためにリタイヤー犬を引き取って里親様を探しています。しかしそれは「縮小、廃業に持って行く事が前提条件」です。

業務を継続している業者からただ引き取り里親探しをするのでは意味がありません。
今後も保健所と連絡を取りながらここの犬達を少しでも救ってあげられることを願っています。

[2018/10/02 10:49] | 命の現場 | page top
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