五年前、保護していたシーズー犬が、
犬好きの夫婦に里子に出ました。 「シーちゃん」という名前をもらい、 特にご主人は大切にして下さいました。 しかし、飼い主の状況に変化が生じると、 必然的にシワ寄せは動物にふりかかってしまいます。 一年前にご主人が亡くなり、 今回奥様より電話が入り、 「引っ越すのでシーちゃんを飼えなくなった」と 言って来ました。 推定7歳、再度この子の里親探しを始めました。 そこに、理解ある家族が申し出て下さり、 見に行って下さることになりました。 しかし、その数日後 「今、帰って来たら(もう1匹昔から飼っていた) 犬にシーちゃんが咬まれています。 どうしたらいいのでしょう」と電話が入り、 「貴女の犬でしょう。 すぐに獣医さんに連れて行って下さい」と私は荒々しく言いました。 しかし、不幸にも夜中二時、 シーちゃんは息を引き取りました。 先住犬の「ジュン」という柴雑に 噛み殺されてしまったのです。 ご主人が亡くなってから一年間も散歩もさせず、 犬達の関係もおかしくなってしまったのでしょう。 入院させた獣医師に聞いてみると 「今までにも二~三回咬まれたという知らせが入りましたが、病院には連れて来ません。 シーちゃんの体には 十~二十と数えきれない程の古傷がありました。」と 話して下さいました。 かわいそうに何度も咬まれていたなんて・・・・・・。 助けた命がこんな形で終えてしまうなんて、 考えもしませんでした。 しかし、 これで終わったわけではありませんでした。 又電話がかかって来て、 「もう一匹の犬を引き取ってくれませんか。私は引越しますから。」どういう事なのでしょうか。 飼い主としての責任は何も無く、 後始末を他人にさせるのを何とも思わない人間。 私がお願いした犬でもない、 本人が飼っていた犬であり、 又、シーちゃんを噛み殺した犬を 何で私が引き取る義務があるのでしょうか。 私達の活動を、要らなくなった犬・猫を引き取ってもらえる「後始末業者」とでも思っているのでしょうか。 「子猫がいます。取りに来て下さい。 来てくれないなら保健所に出します。」 「犬がうろついているんですけど・・・」 「犬を拾ったんですが、家には置けないんですが・・・」 毎日こんな電話がリンリン。 世の中、人に迷惑をかけないで 生きる事ってむずかしいのでしょうか。 |
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