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不幸な犬は、再び不幸に 季刊2004年1月新春号
五年前、保護していたシーズー犬が、
犬好きの夫婦に里子に出ました。
「シーちゃん」という名前をもらい、
特にご主人は大切にして下さいました。
しかし、飼い主の状況に変化が生じると、
必然的にシワ寄せは動物にふりかかってしまいます。
一年前にご主人が亡くなり、
今回奥様より電話が入り、
「引っ越すのでシーちゃんを飼えなくなった」と
言って来ました。
推定7歳、再度この子の里親探しを始めました。
そこに、理解ある家族が申し出て下さり、
見に行って下さることになりました。

しかし、その数日後
「今、帰って来たら(もう1匹昔から飼っていた)
犬にシーちゃんが咬まれています。
どうしたらいいのでしょう」と電話が入り、
「貴女の犬でしょう。
すぐに獣医さんに連れて行って下さい」と私は荒々しく言いました。

しかし、不幸にも夜中二時、
シーちゃんは息を引き取りました。
先住犬の「ジュン」という柴雑に
噛み殺されてしまったのです。
ご主人が亡くなってから一年間も散歩もさせず、
犬達の関係もおかしくなってしまったのでしょう。

入院させた獣医師に聞いてみると
「今までにも二~三回咬まれたという知らせが入りましたが、病院には連れて来ません。
シーちゃんの体には
十~二十と数えきれない程の古傷がありました。」と
話して下さいました。
かわいそうに何度も咬まれていたなんて・・・・・・。
助けた命がこんな形で終えてしまうなんて、
考えもしませんでした。

しかし、
これで終わったわけではありませんでした。
又電話がかかって来て、
「もう一匹の犬を引き取ってくれませんか。私は引越しますから。」どういう事なのでしょうか。
飼い主としての責任は何も無く、
後始末を他人にさせるのを何とも思わない人間。

私がお願いした犬でもない、
本人が飼っていた犬であり、
又、シーちゃんを噛み殺した犬を
何で私が引き取る義務があるのでしょうか。
私達の活動を、要らなくなった犬・猫を引き取ってもらえる「後始末業者」とでも思っているのでしょうか。

「子猫がいます。取りに来て下さい。
来てくれないなら保健所に出します。」
「犬がうろついているんですけど・・・」
「犬を拾ったんですが、家には置けないんですが・・・」

毎日こんな電話がリンリン。
世の中、人に迷惑をかけないで
生きる事ってむずかしいのでしょうか。
[2004/01/12 11:00] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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