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犬の介護の思う 季刊2003年10月秋号
人生80年の時代にあって、
犬猫達の寿命も昔の二倍位に延長された今日、
愛犬愛猫の命が一日でも長く生きて欲しいと願うのが、
普通であると私も思っていました。
しかし、世の中長生きすればする程、不幸な最後が
待ち受けている犬猫が増えているのです。
誰でもが順番に必ずやって来る「老いる」という現実。
しかし、動物達は、
手を差しのべてやる飼い主の気持ちがなければ
「死」への道しか残されていません。

夜と昼が反対になって吠えてしまい
近所から苦情が来た、
家族が眠れなくて、受験勉強の子供も居るので・・他・・
こんな当然あり得る得る理由で
保健所に出してしまう飼い主。
この犬達が我が家にやって来た十数年前の事は
忘れてしまったのでしょうか。
首輪、犬小屋、フード、リード、ブラシ他買い込んで
「かわいいね」と家族で迎えた日があった事を。

七月、世田谷のセンターを訪ねていたとき、
赤帽さんの車にビーグルが乗せられ繋がれていました。
飼い主は事務所へ入って行き、しばらくして出て来て、
ビーグルのヒモを引っ張って係の人に渡しました。
このビーグル犬、二十才とのこと。
どんな理由があれ、
20年間飼い主を信じて生きて来た子を
炭酸ガスで処分してくれと
自ら連れてくる気持ちは
理解出来ませんし、許せません。
二十才にしては、四本の足を引きずりながらも歩いて、
連れて行かれました。
その後姿を飼い主は黙って見ていました。
「どうして来ないの」とでも言いたいように
一度振り返ったこの子は、
おとなしく奥へ消えてゆきました。

私も現在、介護の必要な老犬をかかえています。
チワワの「カメちゃん」、
12~13年前平塚の保護センターから引き取った
当時5~6才のチワワの女の子。
しかしこの子はてんかんでした。
里子に出す訳にはゆかず、
ずっと私の元で世話をして来ました。

しかし、現在てんかんの発作が出るたびに、
目に涙を浮かべ、
ぐーと体をのばし息を引き取ってしまいそうになります。
その時、心臓を手でマッサージしてやると、
「フー」と息を吹き返し、
何度も生と死を行ったり来たりの状態です。

しかしこの二週間位、
もう、右にバターン、左にバターンと転がって
必死に起き上がろうとしても又転がってしまう。
水も餌も手で支えて食べさせてあげないと
食べられない介護犬になってしまいました。
真っ白になった目、4kgあった体重も
1.4kgと細くなってしまいました。
でも、一生懸命生き続けようとがんばっている姿に、
私も一緒にがんばっています。

そんな介護をも放棄してしまう飼い主。
介護をして天国へ送ってあげるまでが、
本当の飼い主としての責任であり、
義務ではないでしょうか。


[2003/10/12 10:56] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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