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殺処分「0」に向かって 季刊2014年7月夏期号
この夢の様な言葉を聞けるようになる迄どれだけの年月を要したことでしょうか?
 収容施設に入った犬猫は公示期間が終われば自動的にガス室に追い込まれて処分されていた毎日。
 当会が初めて神奈川県のセンターより各個人が引き出しを始めた30年前
 今思い返せば天国と地獄のような違いでした。
 「会報第一号」を発行した1992年1月号からの抜粋です。

 かれこれ5年前、娘が一匹の子犬を拾って来たのです。
 しかし、娘の優しい気持ちはいたいほど分かるのですが、我が家にはすでに一匹の犬が居ます。
 同居の母はもともと動物を飼うのは嫌いでとても2匹は無理。
 小さな子犬は日増しになつき、
 私が台所で食事の用意をしていると足元のスリッパの中に入って顔だけはじっと私を見上げていました。
 里親さんを探しても見つからず、母が旅行から帰って来る前日、動物保護センターに電話をしました。
 係の方が引き取りに来られた時はスヤスヤと寝ていました。
 そっと寝たままの状態で連れて行ってもらいました。
 車の音が完全に遠ざかるまで耳をふさいでいました。
 その夜、娘も私も一睡も出来ず、闇の中で子犬の鳴き声が聞こえ涙が止まりませんでした。

 そして、娘が帰宅するやいなや二人でセンターにタクシーをとばしました。
 「ジュン!ジュン! 今 迎えに行くから」
 しかし、一度渡してしまったら引き取る手続きが大変でした。
 重なりあうように汚くなっている沢山の子犬の中から、ジュンはどの子か分からず諦めようかと思ったくらいでした。 
 しかしたった一週間しか居なかったのに、子犬は覚えていてくれたのです。
 小さいのに私達の目に留まろうとして、他の子犬の頭の上に乗って一生懸命見つけて欲しくて呼んでいました。
 綺麗にシャンプーしてあげたのに、たった一晩で変わり果てたジュンをもう少しのところで見逃すところでした。
 その後、娘のクラスの男の子の家で飼って頂けることになりました。



 この文章を読みながら30年前のセンターの収容状況を思い出してしまいました。
 罪のない犬・猫達は動物実験用に払い下げられ拾った方と飼い主以外には渡してもらえず
 全部殺処分になって行きました。
 その状況の中で当会の活動はいかに過酷なことだったかをお分かり頂けたと思います。

 現在2020年のオリンピックの年までに「殺処分0」を目指して動き始めました。
 神奈川県(平塚の保護センター、川崎の保護センターのみ)
 東京都は「殺処分0」を達成出来ましたが、まだまだ昨年度も17万頭の犬猫が全国では処分されています。
 今後「繁殖業者」の更なる法律での規制も行っていかなければ「殺処分0」への本当の道は開かれないと実感しています。 
 当会は現在「殺処分ワースト1」を8年更新している茨城県の処分頭数を減らすことが出来るよう日々悪戦苦闘しています。
[2014/07/12 11:15] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
過酷な被災動物の現状 季刊2011年5月号




3月11日に起きた「東日本大震災」は
人間にも動物にも
多大な被害と不幸をもたらしました。
ちょうどこの日、わたしとスタッフIさんとで
茨城県のセンターに
犬の引き取りに行っていました。
その帰る途中で
恐ろしい地震に遭遇してしまいました。
激しい揺れと地鳴り、
車がひっくり返ってしまいそうな状態に、
おもわず地面に伏せ
頭を手で覆うことしか出来ませんでした。

震度6強。
ものすごく長い時間に感じました。
震源地の宮城、福島、
岩手の方々の津波の恐怖は
言葉では言い表せない程の
思いであったかと察します。
未だに行方不明でいらっしゃる莫大な数の方々、
なくなられた方々、又、
避難所で不自由な生活をしていらっしゃる
被災者の方々には
心よりお見舞い、お悔やみを申し上げます。


また、人間だけでなく、
多くの犬、猫、鶏、牛、豚、馬、他が
今現在充分な救助もされずに放置され 
餓死する動物たちもいます。
飼い主達は逃げる事で精一杯。。
犬を鎖から放す事も出来ずに
放置したケースもたくさんあります。
そのまま津波に
流されていった動物もいたことでしょう。

しかし、避難所にペットを連れて行くことは
衛生上の問題、苦言他から、
家に置き去りにしなければならないのです。
国は人間の救助はしますが、
動物まで助けるような動きはありません。
かろうじて飼い主から依頼のあった犬猫、
ウサギ他は動物病院や、
避難場所にテントを張り
ケージに保護をする所もあります。

しかし多くは現地に置き去りにされお腹を空かし、
うろつく多くの犬猫達。
やせ細った牛は弱ってくるとカラスがつつき、
繋がれたままの犬は首輪が抜ける程に
痩せてかろうじて生きています。
多くの愛護団体が依頼のあった犬猫の保護に
ワゴン車を走らせていますが、
うろういている犬猫、全部連れて来られずに
エサを置いてくるだけしかできないのが現実です。
このように放された犬が今後野生化し、
最後は捕獲処分ということにならなければよいがと
危惧しています。


将来「東海沖地震」が
必ず起きると言われている中、
万が一震源地が東京であれば
今回の被害以上のものになると想定されています。
人間優先なのは当たり前ですが、
家族である犬猫を手放さなければならない
飼い主の悲しみも多大です。
避難場所へ一緒に連れて行く事が出来る体制を
環境省には早急に整えて欲しいと節に願います。

当会としまして、
この地震の被災動物を助けに行く事は
現実問題として出来ません。
しかし今後の「被災動物達の命」を
守れるような体制を行政に要望し、
署名集めも開始しました。
皆様、自分が出来る範囲で活動していくことが
「真の救助」」とわたしは考えています。
[2011/05/12 11:14] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
首輪キャンペーンに願いを込めて 季刊2010年6月号




現在、当会の主な引き出しは
茨城県動物指導センターからのワンちゃん達です。
この活動を始めて約20年。
思い出せば神奈川県の収容頭数も、
茨城県のようにものすごい数の多さでした。しかし
年が経った今、
東京・神奈川の収容件数はとても減少しました。
そして又、一からの出発ですが、
日本一処分頭数の多い茨城県の犬たちの
救出をスタートしたのです。


しかし現実は想像以上に厳しいものでした。
近県でありながら、一歩東京から離れると、
野犬化した犬の集団、放し飼い、
生まれてくる子犬、仔猫の多さ、
妊娠している犬、収容犬の返還の低さ、
どこから手をつけたら良いのか 頭を痛めます。

皆様のおかげで「不妊・去勢手術の補助金」
2万名署名達成できましたが、
その後の改善もなく、
子犬、仔猫の処分は一向に減りません。

不妊・去勢手術をいくら唱えても
効果が得られそうにありませんので、
初歩的レベルまでさげて
「首輪を着けて繋いで飼うこと」を広めるために
「首輪キャンペーン」を企画しました。
大変な作業になると思いますが、
一匹、一匹飼い主に首輪を渡し
理解して頂けるよう啓蒙してゆきます。

テレビでも放映された茨城県のK市は
野犬の集団に混じって
小型犬の飼い犬までも町中をうろついている有様。
茨城県全域ではなく、ある地域に片寄って
犬の飼育レベルの低さが目立ちます。

子犬が生まれれば
「海に捨てればいいんだ」
「穴を掘って埋めればいい」
というような考えの人、
繋いである犬に犬小屋みなく、
「犬が濡れているから小屋を置いてください」というと、
「犬、そうだねー 濡れてるね-」と
何とも思わない飼い主。

先月もセンターに行く途中、
住居からかなり離れた道路際に
2ヶ月くらいの子犬が鎖に繋がれ
日陰もない泥だらけの犬小屋にいました。
食べているものはご飯に味噌汁をかけたもの。
腐ってハエがたかっていました。
これがこのあたりの犬たちの現実なのかと
ショックを受けました。
いわゆる番犬なのです。


この「首輪キャンペーン」を始動していくに当たり、
当会の人員だけではとても間に合いません。
茨城に在住していらっしゃる愛犬家の方、
推進委員の方、
どうぞこのキャンペーンに参加してくださるよう
お願い致します。
お申し込みは当会事務局にお願いします。
一匹でたくさんの命を助ける事を願って。
[2010/06/12 11:13] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
子犬工場の現実 季刊2009年11月号




ペットショップに並んでいる1ヶ月余りの可愛い子犬・子猫達、みなさんはこの子達がどんな所で生まれ、どのようにして商品として扱われるかご存じでしょうか?

ブリーダー全てがそうだとは言いませんが、日本の繁殖業者の多くは、「命を商品」としか思っていません。今、ある老夫婦が100頭もの犬を劣悪な環境下に置き、生きるための食事も水も満足に与えず、狭いケージの中に閉じ込め、繁殖をさせています。真夏の暑さの中、窓も閉めっぱなし、フードに水をたぶたぶに入れたものを食べさせ、水は腐り悪臭を放ち、ケージのお掃除も2年間しないため、ウジ虫がわいている状態です。

そんな中、母犬達は皮膚病であろうと、何度も出産させられ、カルシウム不足から顎の骨が溶け、歯も抜け落ち、爪は回転しケージのカネのスノコに引っかかり血だらけ、足も挟んだまま骨折していても放置。生まれた子犬達も足を挟んだまま足先が腐り取れてしまったり、骨折している子もいます。売り物にならない子犬は繁殖用にする。

見かねたある団体が毎週世話に通って下さっていますが、この夫婦は忠告を無視し、相変わらずエサも毎日は与えず設置してきた給水器に水も入れず、犬達が喉が渇いて水の入っていない給水器の一滴の水を求めて舐めているとの事。


このパピーミル「子犬工場」と呼ばれる生産場所で生まれた子犬達は、まだ親・兄弟と一緒にしておかなければならない期間前に離され、「犬猫セリ市」に出されます。最近は純粋犬は珍しくなくなって売れないとの事で、あえてミックス犬を作り4万~5万で売っているのが現実です。


この業者を取り締まる法律は「登録制」ですが、何と意味のないものであるかつくづく考えさせられます。

<立ち入り検査>都道府県の動物愛護担当者が立ち入り検査を行い基準が守られていない場合、管理や施設が不適切と認められた場合は、都道府県の知事、政令市の長が勧告、命令を行い、悪質な業者には登録取り消し、業務停止命令が行われる。


そして

<動物取扱業者が厳守すべき動物の管理方法等の細目>には、

第2条
1.定期的な清掃及び消毒を行うとともに汚物を残さず処理する。
2.1日1回以上の巡回をする。
3.消毒台帳を5年間保存する。
4.ネズミ、ハエ、蚊等の駆除、他。

第3条
1.ケージ他は立ち上がれる、横たわれる、羽ばたく他、十分な広さを有する。走る、飛ぶ、登る、泳ぐ他の運動が出来る広さ、空間を有する。※この広さの実際の数値が明記されるべきである。

第4条
1.ケージに給餌給水の為の器具を備える。



このように文章からみれば立派な言葉が列記されています。しかし現実にこの「登録制」で、繁殖業者の改善、業務停止が実現しているのでしょうか?ここにいる母犬達、子犬達は1日1日を苦しみの中で生きさせられています。子犬1匹が札束にしか見えない繁殖業者を根絶出来る真の「動物愛護法」を施行出来るよう法改正を強く望みます。


PS.
先進諸国では生きた動物を店頭で売り買いすることは虐待とされています。犬猫を買い求める人々の意識の低さも問題と言えるでしょう。
[2009/11/12 11:08] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
自治体における譲渡推進に思う 季刊2009年5月号
日本全国の各自治体の収容施設には毎日のように犬・猫が運び込まれて来ます。皆様はこの事実をどのように思われていらっしゃいますか?

インターネットが普及し、当会が出入りをしていない自治体の様子までも知る事が出来、私は頭が痛い毎日です。ネット上に収容犬の写真がアップされ、犬達の目が悲しげに怯え、命の最期を悟ったかのような表情をしています。やせ細ってあばら骨が浮き出ている猟犬、母犬の後に隠れるように顔だけ出している子犬、泥だらけになってガネ(捕獲のロープ)で吊り上げられている犬、立つことも出来ずに横たわっている事故犬(置き去り犬)、顔に白毛が目立つ老犬、他・・・・。この子達は二度と太陽にあたることもなく数日後にはこの世を去って行きます。そして涙を流してくれる飼い主もなく、忘れ去られてしまいます。

「1匹でも多く、譲渡を推進するように!」と環境省からの要請もあり、各センターでは様々な取り組みも見られ、東京・神奈川においては、収容頭数も減ったため期限が切れた犬達も収容日数を延ばすことも可能になりました。しかし、日本一頭数の多い茨城県では、それをしたくとも出来ないのが現実で、毎日処分は行われています。

ある一部ですが、当会の譲渡して頂いているセンター並びに近県の処分頭数と譲渡頭数を記しておきます。

※政令指定都市も含む
2009-5a.png


2009-5b.png



私は思います。譲渡を増やすのではなく、収容される犬・猫の数をいかに減らすかという方が優先課題だと思っています。
毎日入ってくるかわいい小さな命を救うのは、不妊・去勢手術しかありません。いくら団体が引き取ったところで焼け石に水状態なのです。「私も私も!」と尾を振って駆け寄ってくる子犬の中から数匹を選ぶことなど到底出来ません。又、大部屋の中にも大きな成犬に混って3ヶ月くらいの子犬達が入れられています。でも子犬達は堂々と最後の4日間をその中で強く生きています。放し飼いかれている、犬社会の中で育ってきたためか毅然として檻の中に座っている1匹の子犬の姿には胸を打たれました。

各自治体も少しずつですが、内容も改善されつつあります。茨城県では譲渡希望犬にワクチンを打って下さいます。千葉県では譲渡犬・猫には検疫の期間を設け収容房の中の写真も撮らせて下さっています。閉鎖的だった収容施設も開かれつつあるのです。

今、目前の希望として、子犬だけでも収容されることが少ない自治体から処分頭数が多い自治体との間で命のバトンタッチ(リレー)をして下さるよう切望しております。そして将来、処分のためのセンターが消える日がありますように・・・。

[2009/05/12 11:09] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
世界的不況と捨てられるペット達 季刊2008年11月号
予想もしていなかった世界的な株価暴落による不況が日々のニュースで報じられています。その結果、倒産リストラ等経済的破綻の余波は私たちの日本にもじわじわとにじり寄って来ている現在、一番懸念している事は、そのことで飼えなくなった「動物の放棄」です。

バブルの時代に売れるからと、産めや増やせと繁殖させられた犬猫達。このペットブームは、人間の生活が悪化してくれば、ペットどころではなくなる事は目に見えています。近年、センターに持ち込まれて来るケース、またはキャリーバッグに入れられたまま駅、電車の中、公園、土手他におきざりにされるケースも増えています。放棄される理由のトップは今まで引越、病気、アレルギーがありました。しかしこれからは経済的理由、そのことによる離婚他で、飼育してまもない処分持ち込みのケースも多くなりました。

あちこちで繁殖業者が経営破綻し、そこにいる犬達の置かれた悲惨さは目を背けたくなるものでした。何度も、何度も、年を取っても最後まで産まされ続けた母犬は、カルシウム不足からアゴも歯も溶けてしまい、舌が出たままになり、食べることも出来ずに骨と皮になっていました。全身皮膚病になっていても治療もされず、かゆくても毛玉に覆われた足では掻くことも出来ない犬、満足に水もフードも与えられず、かろうじて犬をつないでいた犬、糞だらけの汚いケージの中に長年閉じこめられ、いくら出たくとも開かない扉を必死で咬んでいる犬。最後は路上に投げ捨てられ、車に轢かれて死んでいたラブラドール達も過去にありました。

最近、当会で引き取りましたシーズー犬は段ボールに入れられ、他の犬と共に放置され、その内の1頭はすでに息絶えておりました。以前にも9匹の犬が段ボールに入れられて、放置されたケースがありましたが、多分同じ犯人でしょう。そして八王子市で15匹のチワワが捨てられていた事件は記憶に新しいと思いますが、これもブリーダーの仕業なのでしょうか。

「動物を捨てることは犯罪です」と、いくら唱えても犯人が見つかったのを聞いたことはありません。このチワワの一件も警察が犯罪をして扱っているようですが、どこまで判明するかは疑問です。売る側の問題も今現在の法律では規制出来ない事の方が多く、会員の方からも「ひどいペットショップがあるんです。どうしたらいいでしょうか?」との声にも当会として動ける範囲も限られてしまうのがとても残念です。

昔はお金を出してまで買った犬猫を自ら捨てる人なんかいないと思っておりました。時代が変わったと言えばそうなのかもしれません。しかし雑種の犬猫であろうと高価な値の付いた純粋犬であろうと、捨てる人間の無責任さは、昔も今も変わっていないのでしょう。
[2008/11/12 11:06] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
私たちの活動を御理解下さい 季刊2008年5月号
当会の活動も19年目になりました。私たちスタッフは日々、どのような活動をしながら、1匹ずつの犬猫に温かい家庭を与えているかを、今回お話しを致しましょう。

会としての運営は分担化をして、センターより引き取りの犬を決める者、預かりをして下さる方、会計業務の方、事務局を代行し相談他の電話を受ける方、渉外担当者、運搬をして下さる方、インターネットを管理する方、トリミングをして下さるトリマーさん達、そして犬猫の医療に協力して下さっている動物病院の先生達。

新飼い主様を募集するのは、以前は毎月20枚くらいのハガキをタウン誌に書いていました。今はほとんどがインターネットを使っておりますが、唯アンケートを頂いた文字の向こう側の人間性を把握するのは、いかに難しいことか知れません。良い犬若いピカピカの犬を安くもらえる・・・・と応募してくる方も中には居ます。アンケートの段階で条件をクリアー出来た方に今度はお電話をし、いろいろな角度から、犬に対する考え方を推測致します。自分でも興信所みたいだなーと思う事もありますが・・・・。

そしてお見合い、しかし この日に保護犬をもらえると思って来られた方がいて、後日 日を決めてお届けする事を伝えると、不服そうに「いつ、それじゃー届けてくれるんですか? 一週間も先だなんて動物虐待だ」と言われました。
きちんと保護管理をしているのに何故でしょうか?あまりせかされるのでお断りをすると 「てめーこのヤロー」とのメールも来た事がありました。長年の直感で、この方にはお願いしなくて良かったと感じました。

お見合いに合格された方には今度は、お試し飼育のトライアルにお届けします。1~2週間、この犬をいかにキチンと管理出来、犬にとっても最良の家庭であるか判断させて頂きますが、中にはお返し頂く事もあります。

以前マルチーズのトライアル中、一週間後にお電話すると「父の家の方が幸せになれるので、あげました」との返事。何ということでしょう。こんな人間もいるなんて驚きました。すぐに引き取りに走りました。お父様もいらして、いかに可愛がっているかを話されましたが、「私は娘さんにお願いするためにお届けしたのです。お返し下さい。」と返して頂きました。

又、譲渡した後も、たまたま見に伺ったピレネー犬が犬小屋もなく、廃車のところに繋がれていた事があり、その場で返して頂く事になりました。しかしその飼い主さんはセンターに苦情を言い、挙げ句の果ては警察に盗難届を出し、(警察も分かって下さいました) 嫌がらせの電話も3日位続きました。いかに後のフォローが大切かを実感させられました。犬の事ではなく、このような人間も相手にしなければならない精神的ストレスは体の疲れ以上のものなのです。

そのような中、日々 相談電話(犬、猫を拾った他)、しつけ、病気の相談、飼育困難になった相談、テレビ・ラジオ・本の取材、名札の発注、病院通い、犬猫の世話と、365日気持ちの休まる事はありません。


しかし、この活動(私どもの団体だけではありませんが・・・)も実を結びつつあり、環境省からも「出来る限り収容施設の犬猫を譲渡する方向に」とのお達しもありました。以前では飼い主以外には、引き渡してはもらえない収容犬、猫達。生きるチャンスを与えられるようになったのです。

昨年から10年前くらいに譲渡した子達が、幸せな一生を終え、虹の橋を渡って行ったお知らせをたくさん頂くようになりました。きちんと最後のお知らせまで下さった新飼い主さん達の深い愛情が、私たちの大きな心の支えとなっております。


これからも様々な事に出会うことと思いますが、犬にとっても、命のバトンタッチをして下さった新飼い主さん達にとっても、この様な不幸な子達を引き取った事が幸せに繋がるよう、唯ひたすらその事を願いつつ、明日も又頑張りたいと思いますので、これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
[2008/05/12 11:07] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
悲惨な繁殖用の母犬達 季刊2007年10月号
ペットショップのショーケースの中には、ぬいぐるみのようなチワワ、プードル、ダックス他の子犬達が並べられて「ワーッ!可愛い!」「お母さん これ買ってよー」他、まるでおもちゃやアクセサリーを選ぶような言葉が聞こえてきます。誰が見ても思わず「欲しいなぁー」と思うのは当然の事でしょう。

しかし、みなさま、この子犬達を産み、育てた母犬達がいる事を考える方がどのくらいいらっしゃるでしょうか?あちこちで大量販売のブリーダーが管理の悪さで悲惨な環境下に置かれている100頭、200頭と保有されている犬達、又経営不振で倒産し再度売られて行く犬達の行き着くところは、またブリーダーというケースの悪連鎖。

産むだけの目的で狭いケージに入れられ、命を継ぐだけの最小限のエサ、水さえも入っていないケージ。床は糞と尿でぐちゃぐちゃになっていて、体中皮膚病があっても治療もされず、はげて痩せ細った体。それでも子犬を産まされる。一回も太陽や風に当たることもなく、楽しく遊んでもらうこともなく、思い切り広い土の上を走り回ることもなく、一生を終えていく母犬達。

長毛種の犬はものすごい毛玉だらけ、爪は回転するほどに伸び、何度も帝王切開されたお腹の傷跡、子宮はボロボロ。まるで養豚場の豚さん達のような扱いです。

春頃通りかかったペットショップで、狭い店の奥の方から段ボールを開けテリアが店先の四方と上もガラス張りのショーケースに出されていました。アメショーの子猫3匹もやっと段ボールから出され、また狭いケージに詰め込まれていました。この子達はガラスケースと段ボールの間だけの移動の毎日です。
暑くなったらガラスの中と、段ボールの中はどうなるのかと不安がよぎりました。やはり何匹も詰め込まれて死んでしまう事がこの店で起きているとの事。


当会はこの1年半前から、縮小するというブリーダーが放棄しる犬を引き取ってきました。コンテナの中に入れられ、3畳間位のスペースに15匹もの犬が入っていました。どの犬も外に出すと地面に伏して歩く事が出来ません。すごい毛玉、臭い、耳ダニ、シラミ、カイセン。この状態を見ても置かれていた環境がいかに酷かったかが伺われます。ある大臣が「女性は子供を産むための機械」とか発言をし大騒ぎになりましたが、この母犬達の生きる権利はあるのでしょうか?

動物取扱業が「登録制」になったとはいえ、どんなひどい管理をしている業者に対しても営業停止などの効力はありません。「許可制」にし、改善されない場合は営業停止に出来るような法律に改定することは絶対に必要です。

しかし、この日本中にお金で犬を買う人がいる限りこの悪循環に終わりはありません。動物と人間が共存していくことの意味をもう一歩深く考えて、愛犬・愛猫との生活をしていって欲しいとつくづく思うこの頃です。
[2007/10/12 11:05] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
問題をかかえる多頭の保護 季刊2007年4月号
毎日のように、テレビ、新聞他で犬猫のニュースが報道されている最近、捨てられている犬猫を「かわいそう」というだけで無制限に集め、保護とは言えない状況で置いている人々がいます。

数年前に報道された山梨の多頭飼育の地獄のような現場を覚えておられる方もいらっしゃるでしょう。満足にエサも与えられず(腐ったニワトリの生肉が投げてある)、水はお茶のように茶色でドロドロ。強い犬だけが食べることができ、弱い犬は餓死していく。食い殺された子犬たち、死んだ犬にハエがたかり、生まれた子犬たちは殆ど生きられない。真夏の暑さ、雪、雨すら避ける場所もなく、ゴミの山の中に置かれた汚い犬小屋に繋がれた犬、あちらこちらに子犬の死骸の山、その中で繰り返される繁殖。

この張本人の男は「犬を増やすと仕事もうまくいく、1000匹くらいに増やす」と言っていたそうです。又、心ない人間がこの山に犬を捨てていく。何の解決策もなくどんどん増えていく犬達。

1匹の弱々しい母犬が死んでしまった自分の子犬を口にくわえている写真がありました。その犬は死んだ子犬を土に埋めたとのコメントを読み、なんと人間は罪作りな動物なのかを痛感しました。「飼育」とはほど遠い「殺し飼い」です。

この件に関してはM氏をはじめ多くの方々のご支援で、今は150匹ほどに減ったそうですが、このようなケースはあちらこちらで起きています。勿論、保護さえ出来れば、里親さんに命を託すことも出来ますが、「里親探し」の大変さは、一言では語り尽くせません。このような崩壊するまでになるケースは里親探しをするはずもなく、単なるコレクターに過ぎません。


私の住む、ここ町田市にも「市のシェルター」を作ろうとする動きが起きています。センターからの引き取り犬猫他を保護し、里親探しの場にする考えは、ある意味有意義だと思います。でも、誰が世話をし、寝泊まりし、病気になったら費用をどこが負担するのか?残ってしまった犬猫の最終責任者は誰にするのか?そのような事を考えると「多頭の保護」の問題は山積みなのです。

そして山梨の「犬捨て山」のように「シェルター」が犬猫の捨て場になる可能性は捨て切れません。まだまだ日本の現場の
レベルでは、山梨の崩壊現場もシェルターも同一にならなければ、と不安を持つのは私だけなのでしょうか。
[2007/04/12 11:06] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
地方の収容施設の救出をスタートした理由 季刊2006年12月号

※これは茨城県民の方、センター並びに職員の方を
 誹謗中傷する事ではないことを始めにお断りしておきます。

10数年前当会がはじめて収容施設からの引き出しを許可され、犬猫を引き取った当時の事を、今思い浮かべ、それとオーバーラップし、今の茨城県の犬猫飼育事情が脳裏をかすめます。毎日毎日子犬子猫は檻の中が一杯になるほど収容されて、その中から救出してきても、殆どがパルボ他の伝染病に感染していました。また、雑居房の成犬の室(檻)は3ヶ月の子犬も小型犬も一緒に入れられていて、恐怖と、餌入れが一カ所の為高くで届かず、5日間飲まず食わずの状態で過ごしていました。小さな老犬マルチーズが檻の隅に丸くなっていました。世話をしていたおじさんが 『猟犬はあんなマルチーズはウサギだと思って食べちゃうんだよ!』 と。


そしてある日、目の前でポインターが子犬をくわえて振り回していた現場を見たこともありました。そんな状態が今、地方の収容施設の現実なのです。この度、あるきっかけで茨城県のセンターの犬達を助ける活動に踏み切ったのも、10年前の神奈川県の状態が、現在は改善されたこと。(以前は毎日行われていた処分も、1~2週間に1度になりました)茨城もきっと良い方向にスタートそて行かれる事を信じ、始めたのです。茨城県は野や山があり、番犬として庭先に飼われていて (放し飼いが多い) 犬の不妊手術をする意識はまったく無く、何度も生まれては子犬たちを処分に持ち込んでくる飼い主。 また、放棄も有料化になったものの、わざわざセンター側から引き取りに出向く体制は疑問を持たざるを得ません。インターネットに収容犬情報が掲載されていますが、多い日35頭中首輪がある犬数匹のみ、の写真がアップで出ていました。殆どが雑種「首輪無し」。いかに半野良状態になっている犬が多いか分かります。本当の野良犬は捕まりません。この犬達のように、生まれてそのまま人間から餌をもらい生き延びたために人には慣れているので、収容されて来るのでしょう。


ある日の処分状況です。処分は3畳ほどの広さのガス室に、1日分の犬達が入れられ多い日はすし詰め状態で、下にいる小型犬はガス室に入る前に圧死してしまうようです。この場面を皆様想像してみて下さい。命の最期の瞬間にこのような状態で一生を終えていかなければならない犬達の気持ちを思うと胸がしめつけられる思いです。それなら2度に分けて処分すればと考えますが、夕方までに焼却炉の温度を下げなければならないので無理とのこと。朝8:30から毎日50頭ほどの犬の処分が始まるそうです。悪いのは飼い主の無責任さ、モラルの低さで職員の方々も多分あきらめてしまっているのでしょう。ましてや地方の団体の方々はセンターに入った犬猫まで手が回らないくらい、あちこちに犬猫がうろついている現実。とてもセンターの犬猫譲渡は進まないのでしょう。しかしやっていかなければこの状態は一歩も打破できません。不妊手術去勢手術の普及、意識の向上、マイクロチップの導入他、少しずつでも良い、「昨日より明日」「今日より明日」への改善を目指し再スタートです。そしてこれは茨城県に限った事ではなく、日本全国の収容施設の向上へと波及していかなければならない課題だと思っております。動物の生命の大切さが、すなわち人間の生命の大切さにも繋がっていく事なのです。みなさん あきらめないで頑張ってゆきましょう。 

[2006/12/12 11:03] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
一歩一歩の道のり 季刊2006年8月号
容施設より犬、猫を救出する当会の活動も14年半となりました。今まで発足当時の事をお知らせする機会もありませんでした。やっと本年より当会の最終目標である「全国の収容施設の犬、猫に譲渡のチャンスを与えて欲しい」という念願が叶いつつあります。

思えばこのような収容施設に入ってしまった犬、猫が再び外の空気を吸えるのは、飼い主に返還されるか、実験用に払い下げられる以外ありませんでした。(※現在は払い下げ廃止になりました) そんな事情の中、当会が発足し、センターから犬の引き出しをスタートさせたのでした。当初、出してくる犬は次から次へとパルボ他伝染病にかかっていて、病院へのピストン輸送でした。衣服、車、ケージなど消毒にどれほど神経を使ったか知れません。

様々な事件がありました。引き出し予約をしておいた白い犬が、引き取りに行ったら間違って処分されていた事。最終檻でたくさんいる犬の中の生後3ヶ月くらいの子犬が、目の前でポインターに首を咬まれ、絶叫の未息絶えた場面。処分の日ガス室から逃げ出したきた白い犬を引き取った時、この子が「ありがとう」と言うように私の足の間に頭をうずめたこと。あるセンターから捕獲車から職員が両手に2匹の子犬の前足を持ってぶら下げて出てくるなり、2メートルも離れた檻に投げ込む現場を目撃し言い争いになったこと。明日は処分という檻の中で、前足をあわせ立ちの姿勢で拝むようにした白い犬のこと。以前は麻袋に子犬、子猫を入れ処分していたので、口を結ばれた袋がゴソゴソ動いていたこと。あるセンターで捕獲の練習だというので、何をしているかと思って見ていると、おびえる犬の首にロープをかけぶら下げると、だんだん舌が出てきて首が垂れ下がったきてしまったのを見て「死んでしまう」と思い、檻のガラスをパンパン叩いて止めさせ、出てきた職員と大喧嘩したこと。(※この件は上司からの謝罪がありましたが・・・) 里子に出た犬が逃げて、あるセンターに10日間も負傷犬として保護されていたにも拘わらず、毎日確認の電話を入れても「いません」の返答。しかし入っているのを知り、引き取りに行く日の朝 死亡してしまった「ガンバ事件」など。思えば辛いこと、悲しいこと、腹立たしいことは限りなく、神経のすり減る毎日でした。

しかし、先年この私たちの活動が認められ、全国の行政の動物管理に関わる方々の表彰式に、当会が愛護団体として異例にも出席を促され、神戸にて表彰していただきました。

平成12年、特定非営利事業団体(NPO)の認証を得ることが出来ました。そして今年、環境省による譲渡が始まり、少しでも小さな弱い命が助けられる道のりに、一歩一歩近づいて行くことが出来たのです。

これも皆様の暖かい支えがあっての事。幸せをつかんだ動物たちと共に深く感謝します。
[2006/08/12 11:04] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
世界のかたすみからの悲鳴 季刊2006年3月号
容施設より犬、猫を救出する当会の活動も14年半となりました。今まで発足当時の事をお知らせする機会もありませんでした。やっと本年より当会の最終目標である「全国の収容施設の犬、猫に譲渡のチャンスを与えて欲しい」という念願が叶いつつあります。

思えばこのような収容施設に入ってしまった犬、猫が再び外の空気を吸えるのは、飼い主に返還されるか、実験用に払い下げられる以外ありませんでした。(※現在は払い下げ廃止になりました) そんな事情の中、当会が発足し、センターから犬の引き出しをスタートさせたのでした。当初、出してくる犬は次から次へとパルボ他伝染病にかかっていて、病院へのピストン輸送でした。衣服、車、ケージなど消毒にどれほど神経を使ったか知れません。

様々な事件がありました。引き出し予約をしておいた白い犬が、引き取りに行ったら間違って処分されていた事。最終檻でたくさんいる犬の中の生後3ヶ月くらいの子犬が、目の前でポインターに首を咬まれ、絶叫の未息絶えた場面。処分の日ガス室から逃げ出したきた白い犬を引き取った時、この子が「ありがとう」と言うように私の足の間に頭をうずめたこと。あるセンターから捕獲車から職員が両手に2匹の子犬の前足を持ってぶら下げて出てくるなり、2メートルも離れた檻に投げ込む現場を目撃し言い争いになったこと。明日は処分という檻の中で、前足をあわせ立ちの姿勢で拝むようにした白い犬のこと。以前は麻袋に子犬、子猫を入れ処分していたので、口を結ばれた袋がゴソゴソ動いていたこと。あるセンターで捕獲の練習だというので、何をしているかと思って見ていると、おびえる犬の首にロープをかけぶら下げると、だんだん舌が出てきて首が垂れ下がったきてしまったのを見て「死んでしまう」と思い、檻のガラスをパンパン叩いて止めさせ、出てきた職員と大喧嘩したこと。(※この件は上司からの謝罪がありましたが・・・) 里子に出た犬が逃げて、あるセンターに10日間も負傷犬として保護されていたにも拘わらず、毎日確認の電話を入れても「いません」の返答。しかし入っているのを知り、引き取りに行く日の朝 死亡してしまった「ガンバ事件」など。思えば辛いこと、悲しいこと、腹立たしいことは限りなく、神経のすり減る毎日でした。

しかし、先年この私たちの活動が認められ、全国の行政の動物管理に関わる方々の表彰式に、当会が愛護団体として異例にも出席を促され、神戸にて表彰していただきました。

平成12年、特定非営利事業団体(NPO)の認証を得ることが出来ました。そして今年、環境省による譲渡が始まり、少しでも小さな弱い命が助けられる道のりに、一歩一歩近づいて行くことが出来たのです。

これも皆様の暖かい支えがあっての事。幸せをつかんだ動物たちと共に深く感謝します。
[2006/03/12 11:04] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
捨てられた妊娠犬のダックス達 季刊2005年10月号
このところ、不可解な多頭の収容犬が入ってきます。

昨年12月、4匹の放棄犬がすべてオス(去勢済み)の2歳。同時に2歳の犬を一人の飼い主が飼っていたことになります。

今年3月、3匹のメスダックスフンドが収容され、3匹とも妊娠していたのです。そのうち1匹はもう床につきだしそうなお腹をして、レントゲンを撮ると5匹の子犬が動いていました。手術をして出してしまう事も考えましたが、お腹から出した胎児はしばらく生きていると獣医さんより聞き、やむなく出産させました。

3月16日、動物病院の奥様が夜中から始まった出産に立ち会ってくださり無事5匹の子犬が産まれました。しかし、かけ合わせてはいけない色のオス・メスの繁殖のために1匹の子犬は大学病院の診察の結果、肺動脈の奇形ため数ヶ月の命と言い渡されてしまいました。4匹の子犬は幸せに里親さんの元で育っています。しかしこのオス子犬だけは里親さんに渡すわけにもいかず、今先生のお宅で育てて下さっています。

他の2匹の妊娠犬の1匹も職員の方が引き取り3匹の子犬が産まれました。が、2匹は死亡、1匹は水頭症でひどい状態です。残りもう1匹はまだ出産まで時間があり手術をしてしまいました。

最近インターネットで、繁殖用に使われたメス犬を売るために妊娠させて販売しているケースが増えているとの事。最後の最後まで犬たちを商品としか扱わない人間がいるのです。

この他にも、4月に藤沢の小学校に9匹の犬が段ボールに入れられ置き去り。この犬たちもオス犬は去勢済。
5月にやはり藤沢でラブラドール4匹。
6月に津久井で9匹の大型犬が分散して捨てらていました。
しかしこの子達も7匹はオスで「スワレ」はみなマスターしているのです。犬種も日本には珍しいグローネンダールやキャトルドッグも含まれどのような目的で飼われていたのでしょう。インターネットのオークションで、犬猫の競りが行われ、競り落とすのが面白くゲーム感覚で集めては、ある時まとめて捨ててしまう事があると聞きました。

残念な事に命をもてあそぶ現実は少なくはなっていないのです。

[2005/10/12 11:01] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
インターネットの中の悲しい目 季刊2005年4月号
最近インターネットの普及で、
里親探し又は保護犬情報が沢山載せられています。
今までは東京、神奈川の犬の情報がほとんどの私達でしたがインターネットを開けてしまうと、北海道から九州までの犬猫の情報を目にしてしまいます。
この犬猫達の「里親募集」の数の多さに、
日本の犬猫に対するレベルの低さが浮き彫りになってきます。特に東京・神奈川を一歩出ると殆どが無責任な飼い主によって生まされ
ゴミのように捨てられている子犬、子猫です。
その数の多さには唖然としてしまいます。

1匹の秋田犬の母親の写真が出ていました。
まだ授乳中のようなお乳の腫れ。
コメントには
「親子で捨てられていました。しかし3匹の子犬は川に捨てられてしまいました。何とか母犬だけでも里親さんを探してやりたい」と・・・・。

千葉県のボランティアさんのサイトには
「星になった天使たち」の中をクリックすると
小さな子犬達がザーッと何十匹も写真が流れました。皆 あどけない、自分たちでは生きることも出来ない小さな小さな子犬子猫達。

東京・神奈川では子犬は殆ど捨てられなくなったのは確かですが「ああ良かった」と胸を撫で下ろす訳にはいかない現実を知っています。

又 多頭飼育の犬達を救っているボランティアの方々のサイトには耳を咬み切られ、尾を咬まれ、痛々しい姿の犬。皆 狭いところに繋がれ、悲しそうな目で写っています。真夏の暑さ、真冬の寒さに耐えられず死亡していた、というコメントもついていました。もう 地獄です。

そしてどうしても助けてあげられないのが地方の収容施設のサイトに出ている収容犬、猫達。殆どが雑種の子達です。
期限が書かれている日までもう1日~2日。
悲しそうな目に見えてしまうのは私だけなのでしょうか。
勿論東京都の収容犬も
インターネットに出されています。
紐に結ばれて、
おびえた顔でこちらを見ている目・・・・。

どうしてこんなにたくさんの犬猫が不幸にならなくてはいけないのでしょうか。それを考えると呆然と立ちすくんでしまいたい心境になってしまいます。

この16年間をふと思い出してしまい
いろいろな犬猫達の運命のドラマを
見続けて来た私達にとって、
この子達に今後してあげられる事は
いったい何なのかと考えてしまいます。

「悲しい目」を見て欲しいのは 捨てた人間、
そう、無責任な飼い主なのに。


[2005/04/12 11:02] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
疑わしい放棄の理由 季刊2004年9月号
長年家族として生活して来た犬猫を「処分してくれ」と
持ち込んでくる場面に何度も出会うことがあります。
殆どが人間側の身勝手な理由です。
しかし行政側は「飼えなくなった犬猫の引き取り」と
業務内容の中に書かれています。

もちろん引き取りに際し
里親を探すなどしたのか否か等の指導はしていますが、
いずれにせよ飼い主がどうしても飼えないと申し出た場合には引き取らざるを得ないのが現実です。

そんな中、不可解な放棄の人達を見てしまいました。

四月、世田谷のセンターを出ようとしていると
一台の車がやって来ました。

帽子をかぶった女性Aが
「この近くに公衆電話はありませんか」と尋ねてきました。
その車の後部座席にはゆったりとゴールデンが座っていました。 前座席に女性Bと運転の男性が乗っています。 そのうちその車はセンターの中に入って行きました。

「ああ、また放棄犬だ」と思い、
私はボランティアのMさんと近づいて行きました。
その途端、車のボンネットを開けている飼い主。
後ろから、シーズー2匹がブロックに30cm位のヒモに結ばれ、「ハーハー」と息づかいも荒く立つことも出来ずに、
そのブロックの石ごと降ろされていました。

「あっ!まだいる!」
マルチーズ3匹が小さいケージに押し込まれ、
柴犬も出て来ました。
「どうしたんですか?」と聞くと、
女性Bのご主人が亡くなって
飼えなくなったと言いました。

「主人が好きで飼っていたので私の犬ではありません」と言う女性B。「好きなだけでこんなに集めてしまって無責任です」と言うと、「本当ですよ!」と他人事。

しかし泣いているのは女性A。
そして犬達は皆、
このAに尾を振って寄って行くのです。
そのうちに犬達は檻に入れられ職員も立ち去りました。
そこで、陰で見た場面、
女性Aが女性Bと男性に袋の中から
現金を出して渡しているのです。
そして残りのお金は袋ごと自分のバッグの中に。
明らかにこの女性Aが飼い主で
ブリーディングして要らなくなった犬なのです。
全部メス、年齢も5~7歳位。

行政はブリーダーが持ち込む犬は引き取りません。
そこで人に頼んでお金を払ってまで
犬を処分させる、このあくどいやり方。
このケースの他にも47匹のマルチーズ、
11匹のMダックス、13匹のラブラドール他、

品物としか思っていない人間に
何らかの処罰の法律が出来ることを願わずにはいられません。
[2004/09/12 10:58] | 会報:救いを求める犬猫ニュース | page top
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